このところ、振付案件があって、脳内を音楽に占拠されていました。
曲にもよると思いますが、音楽はそのまま戯曲であり、その言葉の奥行きや楽器同士の絡みからドラマを想像し、私の中に景色が立ち上がって行きます。
役者の方々の役作りと似ているのかなと思いますが、私の場合は踊る身体が、それを担うので、セリフの言い方、みたいなことが、仕草に反映されて行きます。その中で、私の中に眠る感情が呼び起こされて、別のキャラクターが身体を動かし始めて行きます。
私は振付という行為がとても好きです。これは、日本語の意味からすると、さも動きを決めるように感じられますが、そうではなくて、振る舞い方を設定していく、という作業だと思います。どこに立つとか並ぶとか、どうダンススキルを繰り広げるかではないのです。
この設定ならば、こう振る舞うよね。
きっとここに立つよね。
ここは客観的に全体を説明しようか。
そうやって、別の人生を瞬間生きることができる。それが私にとっての振付作品です。一旦景色が立ち上がり始めると、何時間でも集中し、その中でどう振る舞うかを立体化し続けられてしまいます。半分乗っ取られているようなその間は、事務仕事にまるで手をつけられなくなってしまうのが難点ですが!
日曜の夜の一人トークでも、振り付けについて話しています。良かったらご覧ください!