【Ado】「阿修羅ちゃん」 カバーから考える時代変化

こんばんは。
気づけば1月も終わりに入っておりますね。
前作より少し間が空いてしまいましたが、回踏太陽の新作映像が本日公開されました!

回踏太陽の映像作品創作とは?

今回は日本のポップスカバーで、【Ado】「阿修羅ちゃん」をタップダンスカバー!
あの超速ポップナンバーがどんな風にカバーされているか、ぜひご覧ください!

タップダンサー(太)と映像作家(陽)と映像概要欄の自己紹介にありますけれどw、そうなのです、単におどるなつこの踊りが撮影されているわけではなく、ユニットとしてコンセプトから創作しているのです。我々はさまざまな側面から考え、かなりじっくりと目的を持って作品をつくってきました。

その姿勢は、今回のようなポップスカバー作品でも、先月まで連作してきた、以下のようなタップアカペラオリジナル作品でも、同様です。

回踏太陽の作品創りについて、今月末1/30開催の回踏太陽1st.Live beginningにて、詳しく解説コーナーを設けます!
コロナ蔓延防止対策として当初より定員を減らして開催いたしますが、あと数名ご予約可能ですので、下記リンクよりぜひお早めにご予約ください!

https://note.com/odorunatsuko/n/n13d9c32e04c6

カバー作品について

このコロナ禍に、当然ながらYouTubeで発信する人が増え、プロアマ混在のアート環境の中、なるべく多くの方にタップダンスを見てほしい、タップダンスを楽しんでほしい、と私も自力発信を頑張っていました。
おどるなつこチャンネルの1年半の記録も宝箱のようなものです。自粛ライフの自宅稽古場から日々発信したタップダンス動画は、1年半の間に10万回も再生されています。よかったらたまに覗いてみてくださいね→おどるなつこチャンネル

そんな試行錯誤から、2021年6月以降は回踏太陽チャンネルから月2本ペースで作品公開しています。

このレパートリーには、オリジナル作品だけでなく、たくさんのポップスカバー曲があります。カバー曲はyoutube的には「踊ってみた!」「歌ってみた!」というカテゴリーになり、まだ出会っていない、“その曲のファン層”と交流できるチャンスが生まれます。

コロナ前まで、お楽しみ会などのイベントをご依頼くださった客層に合わせて、馴染みやすい音楽や親しみを感じてもらえそうなナンバーを用意していく、というのは当たり前のことでした。学校でしたら校歌、朝の歌や今月の歌、高齢者施設なら唱歌から昭和歌謡に演歌。なので私はタップダンサーですが家には歌本がたくさんあります。私がパフォーマンス仕事をメインにした20年ほど前には、今のように知らない曲をさくさくインターネットで検索はできなかったので!
ですので、打ち合わせ時にいくつかカバー曲候補をいただき、訪問するメンバーでパフォーマンス作品として仕上げていく、というのは、おどろき喜んでいただく顔を想像して創造する、お楽しみ業務のようなものでした。

つまり私にとってカバーというのは、初めてタップダンスに出会う人との共通認識となれるナンバーです。ちょっと下手なとこがあっても、本家には敵わないのですから、別に良いんですw。当然BTSにはなれないのです!

社会通念は変わっていく

おどるなつこは2002年(ちょうど20年前です!)に、ストリートパフォーマンスを始めていたDjembe&Tap スキップ❤︎ッポイというユニットで、タップダンサーで初めて東京都の大道芸ライセンス/ヘブンアーティストを取得しました。
まだまだダンスは劇場で公演されるもので、ようやっと音楽だけでなくダンサーのライブハウス出演が普通になってきた感じの時代です。
「道で投げ銭程度で踊っている奴の公演を、誰がチケット代買ってみにきてくれるんだよ」とご忠告も頂きました。
私は自分が子育て中だったこともあって、子育て中の親子や、お金に余裕がなくて劇場に行く習慣のない人にもタップダンスを楽しんでほしい!と願い、力不足ながらも路上でタップダンスを届けるという試行錯誤を重ねていました。すると次第に、幼稚園や保育園からのご依頼が増えていきました。子どもたちに楽しんでほしい、という思いはつながるのですね。
画質も音質も悪いのですが、ちゃんとネット上に証拠が残っていました(笑)

今のように日本中で大道芸イベントが地域おこしに使われ、芸能関係者の仕事場として広く認知されるまでには、そこから10年ぐらいかかったように思います。
2001年に東京都の大道芸ライセンスが生まれるさらにその7〜8年前には、大道芸元祖世代の表現者が道交法違反として何度も警察で始末書を書かされながら、それでも、あらゆる人にアート表現と出会う場をつくられてきた経緯があります。

つまり、何をよしとするか、ということは、願って行動すれば、どんどん変えていけるのです!始めを踏み出す時には必ず誰かに否定されますが、それは仕方のないこと。応援が見えない時も、どこかにそれを待っている人がいるかもしれない。ゆっくりとだけど、変わる。

そうやって、はじめの一歩を踏み出す人があって、さまざまなジャンルにおいても社会通念はだいたい10年ごとにすっかり変わっているのではないかと思うのです。

速い時代変化のもとで

コロナ禍においては、せっかく密閉していない屋外である、頼みの綱の大道芸ライセンスは使えませんでした。東京都の大道芸の受付が再開したのはオリンピックがすっかり終わった後の秋のことです。そういえば、オリンピックへの出演協力の打診はありました。

ライブハウスも映画館も、ダンスグッズ専門店や古典芸能の専門店なども、いくつも閉店しました。

呼気の激しい運動には、公共施設を借りられなくなりました。

人を集める仕事は、なくなりました。

さて。私の仕事とはなんだったのか。

これは私だけではなく、多くの表現者が、この環境を受け入れざるを得なかったことです。
そして、この環境下でも多くの表現者が「誰かに何かを届けたい!」と願い続け、方法を見出し続けてきたことでしょう。

加熱集中したからなのでしょうか?
ダンス業界で炎上中の一件があり、胸が痛いです。
「自分のジャンルのアートをまだ出会っていない多くの人に届けたい」という数年間に及ぶYouTube活動に対して、アーティスト当事者による残念な誹謗中傷がありました。それは、業界を背負ったパワハラにも見えてしまいます。
何より、楽しみの少ない日々に笑って楽しむ機会を得た、これまでダンスに全く縁のなかった人々のワクワクとした期待を、壊してしまった。ああやっぱりそういう芸術、と、その業界の闇として受け取られた人も多いでしょう。

アートは、心の中の景色の一端を目に見えるものにできる方法です。

時代変化のもとで誰もが苦しいかもしれない。
だからこそ、楽しめる方法を考えよう。
さあ、私は誰に何を届けたいのか。どうやって。

豊かさはみんなでつくる

長くなってしまいました。
気軽に楽しめるカバー動画やSNS発信は、さまざまな表現者が、初めてアートに触れる人と出会えることを願って投稿されています。どんな感想を持つことももちろん自由です。
発信する表現者がいなくなったら、無くなってしまうことでもあります。だからこそ、ネット上に映像が存在し続けるありがたみを感じますし、どんどん受け渡していきたいと願うのです。

豊かさをみんなでつくっていくという気持ちを忘れずに、誰もがアートを楽しむ姿勢を、次世代に渡したいなあ!と強く願っています。

ちょうど、あしプロチャンネルの方でも、各地からご参加いただいたダンス作品のディレクターエディションを連日公開中です。
↑↑↑人々が楽しむ姿をぜひご覧ください。↑↑↑
なんらかのチャンスを得て、その体験を自分のものとして楽しむダンスは、次にまた誰かを勇気づけ、日々の活力につながっていくのです!

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